【デッドリフト】デッドストップから挙上 | 骨盤の向き

デッドリフトで腰痛を引き起こしてしまう方が多く、メニューから外してしまう。という話を前回の記事で書きました。

ではどのようにフォームを作り、何に気をつけてシャフトを持ち上げなくてはならないのかを今回の記事で書いていこうと思います。まず、大前提として軽い重さで初めてください。間違っても60kg以上で始めない方が良いです。自信のある男性でも40kgくらいからフォームを形成しケガに対して対策を練り慎重に始めていきましょう。

ここからは、実際に床からシャフトを引き上げる際のセットポジションや各ステップで何を意識しなければならないのか書いていきます。

最初は動作にぎこちなさが出るのは当然です。強い背中を手に入れるために頑張りましょう。各ステップの動作が繋がり始めると一つの動作パターンになっていき最終的に綺麗なデッドリフトが完成します。

スタンス

脚の取り方はスクワットみたいに広くは取りません。だいたい20cm~30cmでおさまります。背が高い人で30cmくらいです。スクワットとは異なる運動動作ですし、デッドリフトで求められることは背中を固定して床を踏み上げる動作を作ることです。したがって広いスタンスをとってしまうと体幹部は直立角度に近くなり背中に負荷をかけることができず、目的からずれてしまいます。

またつま先も10°ほど外に向け外旋位を取りましょう。そしてシャフトの位置はスネから2cm離すくらいでほぼスレスレに立ちます。ここでシャフトが離れすぎていると、デッドストップから力が抜ける原因にもなり腰を壊す羽目になります。気をつけましょう。

足幅は20cm~30cm つま先は10°外側に向ける
シャフトはスネから2cm離して立つ

グリップ

グリップはダブルオーバーハンドグリップで握ります。手幅を決める際は足幅よりも僅かに広く取るくらいです。なので脚のスタンスが広いと腕がとても邪魔に感じることだと思います。またあまりに広くとってしまうと背中が丸まりやすくなったり、しゃがむ範囲が広くなることにより可動域の制限がかかりやすく結果としてやりにくくなるでしょう。

シャフトを握る際に一番気をつけなくてはならないことは、シャフトを動かさないことです。せっかく脚の位置を決めたのに、握る段階でシャフトを動かしてしまう方が後をたちません。シャフトを効率的に引くためにはスタンスの段階で決めたところから動かしてはならないのです。

膝の位置

グリップを握ったら、シャフトがスネに触れるところまで膝を曲げて前に出しましょう。ここでもシャフトを動かしてはなりません。ここでは股関節のことは考えずに膝とスネだけを動かしてください。スネを触れさせに行けば、勝手に腰は落ちてくるので変に意識しなくて大丈夫です。

ここで一番気をつけなくてはならないのは脚の裏の重心位置です。スネを前に傾けるとほとんどの方はつま先重心に変わってしまいます。スクワット記事でも書きましたがデッドリフトにもモーメントアームは存在します。つまりスネの角度は変えても踏んづけている位置、土踏まずから脛骨延長線上の部分を変えてはなりません。

つま先で踏んづける動作を行うとシャフトが身体から離れていき、腰椎に負担がかかり、またしても腰を壊す羽目になります。気をつけましょう。

胸を張る

あとはここまで作った姿勢で胸を張るだけです。と言ってもここでほとんどの方ができなくなります。デッドリフトで一番難しい動作だと言っても良いくらい出来ません。

頭頂部から骨盤まで続く背骨を伸ばさなくてはなりません。胸郭(アバラ)を持ち上げながら胸を張りましょう! 腰椎に至るまで背中を収縮しましょう! おっと、腰を下げてはダメですよ。腰を下げると脊柱は起き上がるので胸は張りやすくなりますが、背中の力が抜けて脚のトレーニングにすり替わりますから、目的とずれます。しかもシャフトを動かさないように…。なんと難しい要求なのか。ここで崩れる方が多いから腰痛も後をたたないわけで。

ではなぜこの動作が難しいのか。それは下背部(肩甲骨下から腰部)を使う感覚が乏しいことが原因に上げられます。さらに深掘ります。この下背部をまっすぐにする動作はハムストリングの張力に対抗する動作だからです。背中の筋肉とハムストリングは骨盤の角度をコントロールしようと互いに争っています。つまりデッドストップの姿勢で骨盤を前傾に保つには、骨盤を後傾にする働きがあるハムストリングの筋力に下背部の筋力が勝たなくてはなりません。

そして先にも上げたように、下背部の感覚が乏しいと強靭なアスリートでもハムストリングに下背部が負け、背中が丸まります。

その結果、背中が丸まったまま、ほぼ脚の力でシャフトを挙上し腰を壊します。これが上半身と下半身が連動していないという状態です。

ですのでデッドリフトを行う際はハムストリングのストレッチを入れてから行うのもおすすめです。

下背部とハムストリングは骨盤の向きをお互いに引っ張り合っている

挙上動作

デッドストップの形ができたら、初めてここでシャフトが動き出します。「脚に沿って」挙げていくのですが、多くの方が脚から離れ自分とシャフトに大きな隙間ができてしまいます。

隙間ができることはシャフトが前方に移動したことを意味していますが、原因としては重心位置(踏み込むポジション)がかかと付近からつま先に変わると全体的に前に流れていくことが多いです。ランニングシューズやかかとが高いシューズを履いていると起こりがちな問題です。

身体の重心を少し後ろに預けてつま先に体重がかからないようにすること。そしてかかと付近で床を踏み抜く意識を持ちましょう。

シャフトが上がりきった後に行うことは、ただ胸を張るだけです。肩をすくめたり、上半身をのけ反らせることもしなくて大丈夫です。むしろ、しないでください。

解剖学的正位、つまり「きをつけ」の状態です。脊柱の自然な前弯と後弯が保たれ、膝と股関節は完全に伸展し、肩が前方に出ていないこと。デッドリフトの重量を安全に保持するには身体をこの状態にしなくてはなりません。

余計なことはせず、胸を張るだけ

あとはシャフトを下ろすだけなのですが、来た道を同じように帰りましょう…とまたこれが難しい。挙げ方を間違えても腰が痛くなる。下ろし方を間違えても腰が痛くなる。

下ろす時は背中の意識がより必要になってくるので、別記事に背中の意識単体で書こうと思います。

いかがでしたでしょうか? 今回の記事ではデッドストップポジションを正しく作ることを皆さんに伝えられれば良いかと思います。

カメラをタイマー10秒でデッドストップを作ってシャッターまでキープして自身のフォームを確認するのもおすすめです。ポジションを作れない方のほとんどはハムストリングの硬さが原因です。可動域が取れないことは怪我のリスクももちろんですがデッドリフトの恩恵ももらえないリスクも抱えています。

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