【筋肉小説紹介】本が苦手でも筋肉が好きならページが止まらない「フェイクマッスル」 | 日野瑛太郎

今回は肩の力を抜いて、最近読んだ筋肉小説の紹介をしようと思います。今回の書籍はこちら。

「フェイクマッスル」日野瑛太郎 | 第70回江戸川乱歩賞受賞

筋肉小説が江戸川乱歩賞? そうなんです。これはミステリー小説なのです。内容もしっかりしていて、読みやすいストーリー展開で、難しいトリックなどもなく2~3日くらいで読み終えられるくらいのボリューム感です。

以下に簡単なあらすじと、おすすめポイント、簡単な感想を書いていきたいと思います。

あらすじを見る

人気アイドルが3ヶ月という短期間で驚異的な肉体を手に入れ、ボディビルで賞を獲得し、注目を集める。しかし、その裏ではSNSを中心に「本当に3ヶ月で可能なのか?」「ドーピングなんじゃないの?」という疑問が広がり始める。新人記者の松村健太郎は、真相を探るためにアイドルが経営するジムに潜入することに。筋トレの世界に足を踏み入れた彼が体験するのは、ただの取材では終わらない新たな発見だった。筋肉と人間の可能性を巡るミステリーが、いま始まる!

あらすじだけ見ると、ミステリー成立するのか? と感じると思いますがミステリーでした。また主人公の松村記者の他にも多くの筋肉キャラクターが出てくるのもおすすめの一つです。

松村記者の「俺、運動とか全くしたことがないんですけど……」ここから物語が始まります。

たくさんのおすすめポイントがあるのですが、強いて3つ挙げるとするならばこちらです。

  • トレーニングのプチ雑学が散りばめられている
  • ストーリーの伏線回収
  • 主人公松村のキャラクター

トレーニングのプチ雑学が散りばめられている

要所要所に雑学が散りばめられていて、思わず口元が緩んでしまいました。筋肉を題材にしている以上、生理学的な学問ですからマニアックな内容となっています。主人公の松村はトレーニング初心者ですからYouTubeなどの情報を鵜呑みにした結果、ベンチプレスを軽視したり、身体の変化がすぐに現れないことを嘆いたりしています。

そこにユニークな筋肉キャラクターたちが松村に指導する内容やアドバイスが、その通りで頷きすぎて首がもげるかと思いました。

トレーニングっていうのは、結局のところ生理学なんだ。やり方を考えずに、ただがむしゃらにやれば成果が出るってものでは決してない。

フェイクマッスルより

難しい雑学はなく、日々のトレーニングに関するカロリーの話や、トレーニングの考え方が書かれているのでとても参考になります。

他にもスクワットのキツさを物語る描写や、ガチなジムの鼻に触る独特な匂いなどの表現もされており、ニヤニヤと読んでしまいました。

ストーリーの伏線回収

ストーリーの大枠はアイドルがドーピングを行っていたのか、いないのか。これがテーマの本筋になりますが、他にも様々なキャラクターの行動にも伏線が張り巡らされています。それを中盤から後半にかけてしっかり回収し、最終的にはスッキリしていく様子は読み手としてはかなり読みやすいです。

本筋としては薬物ドーピングがテーマです。僕も競技者の時に気をつけていたことでもあるので少し触れたいと思います。僕も過去は国内、海外で戦っていたアスリートでしたのでドーピング検査も何度か実施したことがありますが、おじさんに至近距離でマジマジと排泄を見られるのは気分が良いものではありません笑

違反行為を防ぐため、排泄時はズボンは足首ま下げ、シャツはみぞおちよりも上に捲らなくてはなりません。まるで幼児の排泄です笑

書籍の内容にもドーピング問題や、機関と違反者のイタチごっこの描写も描かれていました。日本でドーピングは身近ではないかもしれませんが、決して0ではありません。競技を志す以上、口にするものには意識を張らなくてはならないし、目薬などにも入っていると言われます。それに毎年更新される違反物質なども確認しなくてはなりません。また医療機関で処方される風邪薬にも入っているので必ず確認しましょう。

そして、薬物違反は楽に筋肉が付いたり、身体の回復を促進したり様々な効果があり、使用者の後は絶ちません。だけれどもドーピングは信頼を損ねる行為です。身体への副作用よりも、ファンやスポンサー、アスリートに夢見た未来の子どもたちの信頼を損ねる方が大きな問題となりますので、皆さんも楽に筋肉が付く方法は無いと心に刻みましょう。

主人公松村のキャラクター

主人公の松村記者がいいキャラしてるんです。最初登場した時は2年目のすっとこどっこい社員のテンプレ設定でした。

何をするにも時間がかかるし、仕事に対し保険をかけるような考え方をしたり、上司に呼び出され、その場の空気の悪さを最小限に抑えようと上司が口を開く前に謝ったりと…。

そんなこんなで、紆余曲折ありアイドルが運営するパーソナルジムに潜入するわけですが潜入する以上、松村もトレーニングを行うわけです。そこで色んな先輩筋肉キャラクターと出会い身体が変わり、食事が変わり、トレーニング種目に対する重さの基準も分かり、そうなると人の努力も分かるようになっていきます。

そうです。筋トレから色んなことを学び、人として成長していくんですね。

書籍の中にこんなことが書いてありました。

精神の存在証明のためには、行為が要り、行為のためには肉体が要る。かるがゆえに、肉体を鍛えなければならない、というのが私の基本的考えであるーーー

フェイクマッスルより

この言葉は元々は三島由紀夫の言葉なのですが、彼も何を隠そうボディビルダーでしたので身体を鍛えれば、行動も変えられる。心のなかで思っていることは身体あって行為として現れる。と考えていたみたいです。最終的には切腹自決をしてしまいましたが…。

話を戻すと、松村もトレーニングを始めたことにより行動が変わっていき、トレーニングにのめり込み、相乗的に仕事に対する意識の様子も変化していき読んでいて嬉しくなりました。

他にも紹介したいことがたくさんあるのですが、書ききれないのでぜひ実際に手に取って読んでもらえると嬉しいです。

本を読む習慣がない方でもトレーニングが好きならばスラスラ読める1冊だと思います。フェイクマッスルぜひチェックしてみてください。

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いかがでしたでしょうか。今回の記事はおすすめ筋肉小説でした。他にもおすすめの筋肉小説はあるので、息抜き記事として書いていこうと思います。

実際に読んだりすると、トレーニングを頑張る松村に刺激を受けて自分も頑張ろうとなるもんなんですよね。実際に皆さんもトレーニング頑張りましょう!

南青山にございますAGELCApersonalgymぜひチェックしてみてください。

お気軽にお問い合わせください。

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