【ベンチプレス】胸を活かす背中の役割 | 縁の下の力持ち

ベンチプレスを語る上で広背筋(背中)が果たす役割について説明しなくてはなりません。胸のトレーニングなのに背中? ほとんどの方がそう思うことでしょう。僕も背中の役割を知り実践して実感しました。背中が働いていないとベンチプレスができないと…。
今記事では、胸と背中の関係性と背中の役割について書いていこうと思います。
広背筋の特徴と胸の関係
広背筋の収縮の一つに、腕を後ろに引くというものがあります。つまり逆方向の腕を前に動かす動作は広背筋の仕事に含まれていません。
てことはベンチプレスでもシャフトを押すことはできません。
ん? ではなぜベンチプレスで背中を語る必要があるのか。
一言で言うなら姿勢の維持です。
広背筋が収縮すると胸を張った姿勢を作る助けになると考えられており、僕もそう考えています。収縮によって骨盤と肩甲骨が近づき、他の筋肉と共に胸を反らせる姿勢を自然に作ることが可能です。
ベンチプレスにおいて、広背筋はシャフトを押すことはできませんが姿勢を維持し安定感を作るという役割を果たさなくてはなりません。

ベンチプレスの記事で何度か「安定感を失った時点で、トレーニングが陳腐化する」と言っていたのは、安定感を失うことでパフォーマンスが低下するし、何よりも怪我のリスクが上がるからです。つまり背中の使い方がベンチプレスで一番大事であると言っても過言ではないと思っています。
胸を張った姿勢をボトムポジションで作れるとリバウンドを得てシャフトを押し上げることができます。これを伸長反射と言い、これによりパフォーマンスの力みを減らすことができます。


しかし伸長反射を起こすには動作のボトムポジションで身体を引き締めることが必要で、良いタイミングを得るには練習が必要になります。上手く伸長反射が起きない人は、下ろすタイミングから背中の緊張が抜けている可能性があるのでチェックしてみてください。
背中はシートを押している?
背中で安定を獲得しなければならないことを理解したところで「プレス」の意味を考えていきましょう。ベンチプレスとはシートとシャフトに挟まり言わば圧迫されている状態であるということ。
胸がシャフトを押すことはイメージがつきやすいですが、背中はこの時に安定だけ取っていれば良いのでしょうか? 答えは「いいえ」です。背中、特に肩甲骨は骨を乗せる土台にならなくてはなりません。実際に動いているのはシャフトで、シートは動きませんが実際には両方押しています。
イメージしやすく、皆さんも仰向けで何かに押し潰されたとき、手で目の前の物体を必死で押しますが同時に背中で、背もたれになっている物体を押すのではないでしょうか?

ここで注意点ですが、よくある間違いとして、シャフトを押しすぎて肩甲骨を立ててしまう行為です。この動作が出るとさまざまなデメリットが生じます。
- 安定性を失う。
- 移動距離が増え、仕事量が増える。
- 無駄な力で修正をかけなくてはならない。
ベンチプレスの動作で意識的に動かさなくてはならないのは肘関節で、肩の動作は多少動きますが、最小限に抑えるべきです。肩甲骨がまるまると背中の緊張はほとんど抜けてしまい、胸の伸長反射を起こせなくなります。
シートに寝転がり、肩甲骨をしっかり引いて胸を張り背中を反る姿勢は崩さないように気をつけましょう。

疲労が溜まると多くの方が肩を前に出して挙上を試み、姿勢を崩してしまうので、慣れるまでは大変かと思います。しかしただ挙げるよりも姿勢を意識し、背中が何を担っているのか意識することでベンチプレスの意味は大きく変わってくると思います。
ベンチプレスはスタート時に決めたポジションを崩さないようにすることが一番大切です。

いかがでしたでしょうか。ベンチプレスの根底には背中の役割があり欠かすことができません。誤解を恐れずに言うなら胸のトレーニングは結果であり、背中の働き無くして胸の働きもありません。
どのトレーニングも姿勢は大事ですが、ベンチプレスはその中でも姿勢を疎かにされていると感じています。この記事で一人でも多くベンチプレスの試技を安全に取り組める人が増えれば幸いです。
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