【ベンチプレス】安定感を増加させる脚の役割 | 尻上げベンチプレスの是非

良いベンチプレスは安定感があり、重りの軌道も一定で行えているものです。これはAGELCAのブログを読んでくれている方は何度も書いているのでよーく理解していると思います。さて今回の記事は正しい足の使い方と、間違った足の使い方から起こる尻上げベンチプレスを書いていこうと思います。

前回記事の背中と同様に足の役割は脊柱を安定させることです。

高重量や疲労が溜まってきたときに、足が地面から浮いてしまったり、膝をピーンと伸ばして、のけ反りを強くしたり、はたまた足で床を押し込み尻を上げたり、そうすると本来の姿勢を維持できなくなります。

床に足をつける正しい位置と、つき方を押さえなくてはなりません。

足の位置は主に2つの要素で決定します。

  • 足幅
  • 前後位置

これだけです。まず足幅に関しては狭すぎるよりかは、肩幅より少し広く取るくらいが丁度良いと思います。スクワットほど厳密には示されていません。

ただあまりに広く取りすぎて踏ん張りにくかったり、滑ってしまう場合は調整してください。

足幅がパフォーマンスに影響を及ぼすのは股関節の安定性です。広い方が臀部の力が入りやすいので安定感は出しやすいし、横ブレに対する反応もしやすくなります。

実際のところはベンチプレスの上半身の姿勢を維持できるフォームで挙上に問題がなければ足幅は個人の好みになってきます。

足幅よりも問題になるのが前後位置です。

足の位置が膝関節よりも遠いところにあると、床をしっかりと踏むことができません。シャフトを挙げる上半身の姿勢は下半身が支えています。しんどくなると下半身をピーンと伸ばして背中を使って押し上げようと試みているのだと思いますが、地面からの力を伝えることができなくなるので逆効果です。

膝とくるぶしが垂直線上

理想のポジション

膝よりくるぶしが遠位

床を踏むことが出来ない

膝よりくるぶしが近位

お尻が浮きやすくなる

そして何よりも横振れが起きた時に対応ができなくなるので大変危険です。

またベンチに足を乗せるか、宙に浮かせた状態でベンチプレスをやりたがる方もいますが、これも上記と同じく効率が悪いうえに危険ですので止めましょう。

安定性に欠け、扱える重量が減り効率が悪い

足の前後位置で最も問題なのが、足の位置が膝よりも近い位置で行うことです。

この姿勢ではベンチからお尻が離れやすくなります。むしろお尻が離れる人は意図的に離しています。

では何故多くの方がお尻を上げてベンチプレスをしたくなるのでしょうか?

答えは、シャフトを下ろす距離が短くなりより高重量を扱えるからです。ん? 高重量を扱えるなら良いことなんじゃないの? そんな声も聞こえてきそうですが良いことではありません。トレーニングの目的は、仕事量を稼ぎ、正しいフォームや運動刺激を身体に入れることです。

仕事量は重量とその移動距離、そして回数とセット数によって算出されます。

つまり重いもの…と言っても、お尻あげて増えるベンチプレスの重量なんて、たかがしれてます。それを小さく動かすより、それよりほんの2.5kgから5kg軽いものを大きく動かした方が仕事量は増えます。またトレーニングはその日、1日のものではなく、半永久的と考えると、もの凄い仕事量の差になるでしょう。

その日の気持ち良さを大事にするのであれば、それはそれで構いませんが、本当に得たいものを自問した上で選ぶことをおすすめします。

僕としては多くの方には、お尻を浮かせたい! という誘惑に負けず、正しいフォームで行っていただきたいです。

尻上げを防ぐ方法は、膝と足首の位置を揃えることと、足の裏全体を地面にしっかりつけることです。特に踵は地面にしっかりとつけましょう。踵が浮きつま先だけになってしまうと、地面を押す効率はかなり下がります。ベンチプレスに限らず、どの種目でも踵が浮かずしっかり踏ん張り地面を押せると、安定性に関する問題はほとんど解決します。

Check

足幅は好みだが、初心者は少し広めに取ろう。

上半身の安定性は下半身が一役買っていることを知ろう。

足の前後位置は膝の真下に足首を置こう

Danger

幅が狭すぎたり、シートに足を乗せる、宙に浮かすことは横振れに対応できないことを理解しよう。

足が遠いと、安定性が損なわれることを理解しよう。

足が近いと尻上げが起こり、長期的なデメリットがあることを知ろう。

いかがでしたでしょうか。足幅で上半身の安定性を向上し、より安全かつ効果的にベンチプレスができるようになります。

また、尻上げはその日の気持ち良さを得ることは出来るかもしれませんが、あまりおすすめではありません。もしトレーニング仲間に尻あげた方が重いの上がるぞ。と言われたとしても断固尻上げしない鉄の心も身に付けましょう。

ここまでのベンチプレスの記事をもとに一人でも多くの方が効果的なトレーニングが行えると幸いです。

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