【スクワット】フルスクワットの定義 | 深いスクワットの恩恵
スクワットは太古の昔から確立されているトレーニングです。しかし多くの人が間違ったフォームで行なっていたり、重さだけを追求し深さの重要性が理解されていない種目です。かくいう僕もその一人でしたが、知れば知るほどキングオブトレーニングの所以を突きつけられて、深いスクワット以外やらなくなりました。
本記事では、フルスクワットの安全性と重要性をテーマに書いていこうと思います。明日からのトレーニングで一人でも多くの人が、あと2cmしゃがむことを意識していただけると幸いです。
フルスクワットとパーシャルスクワット
スクワットと聞くと、フルスクワット、ハーフ、クウォーター、パラレルなど色んな深さのものが存在しますが、この記事では、フルスクワット以外の深さをパーシャルスクワットとまとめて表記します。
フルスクワットの深さ
写真のように、股関節が膝蓋骨上辺(膝のさらの上辺)よりも深いものがフルスクワットとされます。※白線参照
膝蓋骨上辺(膝のさらの上辺)より浅いフォームはどの角度だろうとパーシャルスクワットとされています。
ですので、一番下までしゃがむのがフルスクワットではありません。膝蓋骨上辺(膝のさらの上辺)を越えれば、それはフルスクワットです。
ここまでしゃがんだ状態に入ると軽いリバウンドが生まれます。切り返しで弾んだように見える動作を伸長反射と言い、このエネルギーを使って立位の状態に戻っていきます。
ヒップドライブを覚える
ヒップドライブとは、一番しゃがんだ状態(ボトムポジション)から立ち上がり直立に戻っていく動作のことを指します。
具体的には後方に位置する骨盤を前方に押し進めていく動作です。
この動作に作用する筋肉は股関節伸展筋群と言われ、歩行や走る動作やジャンプ動作に関わる大事な筋群です。
・ハムストリング(もも裏)
・大臀筋(おしり)
・内転筋群(うちもも)
上記が該当しています。ですのでフルスクワットはこれらの筋肉を鍛える方法としては最良の方法であり、フルスクワットのポジションに入ってからも活動が増えていき、その恩恵はパーシャルスクワットでは得られないものがあります。
ハムストリングの重要性
フルスクワットを行うとお尻が後方に引けるので、ハムストリング(もも裏)がバランスを取ろうと仕事をします。ハムストリングが機能するのもフルスクワットのメリットです。
パーシャルスクワットだと上体が起きたまま行われることが多く、膝が前方に動きます。そうすると大腿四頭筋(前もも)がバランスを崩さないように働きます。
身体の裏側からのサポートがないと、膝関節を中心に力がかかることになります。この間違ったフォームが原因で膝を痛めてしまいます。
ハムストリングが弱いと、前十字靭帯損傷の一因にもなり得ます。フルスクワットでハムストリングも鍛えられれば、その他の運動においても前十字靭帯を守ってくれます。
パーシャルスクワットの問題
パーシャルスクワットの一番の問題は、大きな重量を、かつげてしまうということです。可動域が狭ければ狭いだけ大きな重量を扱えます。
フルスクワットで担げる重さの何倍もの重りを背中に担ぐ場合、脊柱(背骨)に大きな負荷がかかり怪我の原因にもなり得ます。パーシャルスクワットで数字のマウントを取り合う、よく分からない風習があるところもあるでしょう。今すぐ、そのようなことは辞めてしっかりしゃがんでください。
ここにアメリカのストレングスコーチの言葉を引用します。
フルスクワットでできない重量なら、担ぐべきではない。
Mark Rippetoe
この言葉の通り、しっかりしゃがんだ上で数字を追っていかなくてはなりません。
フルスクワット動作を行う上で、身体のバランスや連携が向上し、骨格への刺激もあるので骨密度も向上します。そして筋肉への刺激と成長はもちろん得られます。
何よりも、精神的なタフさも身につくでしょう。僕自身も何か嫌なことが起きても、フルスクワットと比べたらと思えるようになりました。
いかがでしたでしょうか。フルスクワットがいかに優れているのか今回の記事で少しでも理解していただけると幸いです。
せっかくトレーニングを行うのであれば最大限恩恵を得ることができて最良のやり方で努力をした方が良いでしょう。
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